Q.なぜ食事療法が必要なのでしょうか?

A.糖尿病はインスリンの不足や欠乏から起こります。食事(ブドウ糖)を接種してもインスリンが不足していれば、栄養分が利用できなくなって体の細胞が栄養不足になります。一方で、利用されないブドウ糖が増えてしまうと高血糖となり、糖尿病の合併症を引き起こします。

Q.おいしいものが食べられないのですか?

A.そんなことはありません。食事療法の原則は、
①必要最低限のエネルギー量にして肥満を解消すること
②栄養バランスのとれた食事であること
③食べる楽しみがあり、続けることができる食事であることが大切です。
1日の摂取エネルギー量を制限し、食事の偏りをなくしましょう。三大栄養素(炭水化物、蛋白質、脂質)の必要量をバランス良くとり、ビタミンやミネラルなども欠かさず摂取しましょう。
糖尿病食は、健康長寿食であると考えましょう。

Q.どれだけ食べたら良いのでしょうか?

A.1回に必要なエネルギー量を正確に知って献立に役立てましょう。
①まず、標準体重を求めましょう。
身長×身長×22 = 「標準体重」
(これは、BMI22のとき、もっとも疾病が少ないからです。)
②次に必要なエネルギー量(指示エネルギー)を求めましょう。
標準体重×作業強度 = 「指示エネルギー」
(25~30kcal)
(肥満や高齢者が25kcal、痩せや若年者は30kcalが目安です。)

Q.どの様なものを食べれば良いですか?

A.具体的な献立にするのに、栄養素によって六つに分類する「食品交換表」があります。交換表では、80kcalを1単位と呼びます。(ちなみにご飯1杯は2単位です。)
●炭水化物(55~60%)
(表1)穀物、いも、豆類、米、パンなど
(表2)くだもの
●蛋白質(15~20%)
(表3)魚介、肉、卵、チーズ、大豆
(表4)牛乳、ヨーグルト
●脂質(20~25%)
(表5)バター、マーガリン、マヨネーズ
●ビタミン、ミネラル
(表6)野菜、海藻、きのこ、こんにゃく

Q.好物のケーキ、大福を食べたりアルコールの摂取は良いですか?

A.運動をする事によって食事に交換する事は出来ませんが、節度を持てば制限内で可能です。(ちなみに大福1個2単位、日本酒1合は2単位です。)

Q.健康食品を使用したいのですか

A.糖尿病患者を誘惑にかりたてる食品の広告が多くあります。正しい知識で判断しましょう。消費者庁のマークの付いた「特定保健用食品(トクホ)」と呼ばれる食品が1000種類以上あります。「血糖値が気になる方へ」とか「脂肪のつきにくい食品」などのものです。これらは、健常成人を対象にしたデータであるので、糖尿病患者で有効はどうかは確認されていないと思われます。食事療法を実践するのに近道はありません。不明な点はかかりつけ医に相談しましょう。