Q.心不全とはどの様な状態ですか?

A.高血圧、心筋梗塞、心筋症、弁膜症などの原因で心臓の機能が低下すると、全身に十分な血液(酸素)を送り出すことが出来なくなります。すると、内臓に水分がたまり、「息苦しさ」や「体のむくみ」などの症状があらわれます。心臓のポンプとしての機能が低下した状態と考えられます。この様な症状が急激に悪くなれば「急性心不全」又は「急性増悪(きゅうせいぞうあく)」とよびます。

Q.どの様なことに注意すればよいですか?

A.内服薬や通院の自己中断、塩分や水分の取り過ぎ、高血圧の悪化、疲労、風邪などの感染症にかかると心不全が悪化します。自分自身で気を付けて生活習慣を改善することで、心不全の悪化を予防することが出来ます。

Q.どの様な治療をするのですか?

A.血圧を下げる薬や心臓を保護する作用のある薬剤で治療を行います。不整脈、特に心房細動などがあれば、心臓の中に血の塊が出来ないようにする薬剤を使用することもあります。
いわゆる「血液をさらさらにする薬」を使用します。さまざまな薬剤がありますので、主治医と相談しつつ治療を行いましょう。

Q.水分、塩分制限はどうすればよいのですか?

A.体重が増えず、呼吸困難やむくみが出ない程度に水分を制限します。あまり制限すると脱水症状となりますので、主治医の判断を仰いでください。塩分制限は「6g以下/日」が理想とされていますが、食欲が低下しない範囲で減塩しましょう。スパイスやハーブなどの味付けの工夫も重要です。
(例)ラーメン:塩分6.0g、カレーライス:塩分3.5g

Q.タバコ、お酒はダメですか?

A.禁煙は絶対に必要です。肺気腫は心不全による呼吸苦をさらに増悪させます。アルコールは余分な水分を取ることにもなり、出来るだけ禁酒しましょう。ビール中瓶(500ml)1本、又は日本酒1合(180ml)程度が1日の目安でしょう。おつまみの食べすぎで塩分を取りすぎてしまうことがあるので気をつけましょう。

Q.ジョギング、ゴルフなどのスポーツはどうですか?

A.適切な運動をすることえ心臓の状態が良くなることがわかっています(心臓リハビリテーション)。ただし自己流で心臓を鍛えようとすることは危険ですので、主治医と相談しましょう。

Q.旅行の際に気をつけることはありますか?

A.旅行では普段しない長時間の歩行や飲食、飲酒、長時間の入浴、薬の飲み忘れなど、心不全を悪化させる要素が多くあります。特に飛行機の室内は気圧が低く、症状を悪化させる可能でいがあります。入浴温度は41度まで、長さは10分までと心がけましょう。

Q.インフルエンザワクチンの接種は必要ですか?

A.ワクチン接種をすることで、インフルエンザにかかっても症状が軽くすみます。ワクチン接種を出来るだけしましょう。心配なことがあれば、早めに主治医に相談しましょう。